東京高等裁判所 昭和55年(ラ)403号 決定
本件競売事件の基本となる根抵当権の被担保債権が存在しない旨の抗告人らの主張については、これを認めるに足りる資料はないが、記録によれば、抗告人らは、原決定(昭和五五年四月八日言渡)後の同月一五日に抗告人らを債権者とし本件競売申立債権者金子真之を債務者とする東京地方裁判所昭和五五年(ヨ)第三一九六号仮処分申請事件につき、本件不動産競売手続を停止する旨の仮処分決定を得て、同月一六日同正本を原裁判所に提出したことが認められるから、原決定は取消しを免れない。
しかして、右のように競落許可決定言渡後、同決定に対し即時抗告がなされ、民事訴訟法五五〇条第二号の裁判の正本が提出された場合、競売裁判所は同法五五一条により、既になした処分を一時保持すべきであるから、抗告裁判所としては、競落許可決定を取り消すにとどめ競落不許の宣言はこれをなすべきでないものと解するのが相当である。
(小林 浦野 河本)